——————結婚指輪らしさより、自分らしさ。
代々木上原にある「atelier ST, CAT(アトリエ エスティーキャット)」は、アトリエを併設するブライダルジュエリーショップ。手の骨格に寄り添うフォルムのリングをセミオーダーで仕立て、自分たちらしいブライダルリングを形にしてくれる。制作の様子を間近に感じながら、大切な指輪にじっくりと向き合う時間もまた、ここならではの体験だ。
アトリエ併設の店舗。制作風景を眺めながらオーダーするブライダルリング

結婚という人生の節目に選ぶ指輪は、ふたりの思いを形にするもの。
一生身につけるものだからこそ、自分たちにとって本当にしっくりくる一本を選びたい。好きなブランドや憧れのジュエラー、クラフト感のある作家のリングなど、さまざまな選択肢がある中で、「結婚指輪らしさより、自分らしさ」を大切にしたい人におすすめしたいのが、東京・代々木上原にアトリエ兼店舗を構える「atelier ST, CAT(アトリエ エスティーキャット)」。

左側のガラス窓から工房の様子を覗くことができる。空間設計と家具の選定はMILESTONEが担当。

店内は、カウンセリングの時間も含めて、指輪選びそのものが特別な体験になるよう設計されている。どの客席からも制作風景をうかがえるよう、アトリエ(工房)スペースは中央に設けられており、指輪を“選ぶ場所”というよりも、“つくる場所”に近い感覚がある。
柔らかなアイボリーやウッドを基調とした空間には、ナチュラルな質感や曲線のニュアンスが静かに息づく。香りや音、床を踏んだときの感触まで、五感を通して過ごす時間が、結婚の記憶の一部として重なっていく。
“結婚指輪らしさより、自分らしさ。” コンセプトに込めた想い

ブライダルジュエリーに専念する以前、「atelier ST, CAT」はアクリルを使ったアクセサリーやコスチュームジュエリーのブランドとして、2017年より活動していた。転機となったのは、オーナーでディレクターの林 聖子さん自身の結婚。「市場に本当に欲しいと思えるブライダルリングがない」という違和感をきっかけに、ブライダルラインをスタートさせた。以降、2023年からはセミオーダーを中心としたブライダルジュエリーブランドに。
ブライダルジュエリーといえば、ストレートやウェーブといった定番のデザイン、プラチナやゴールドを中心とした限られた素材や色味が思い浮かぶ。特別なものとして背伸びをするようなデザインも多く、どこか日常と乖離している。結果的に身につけることをためらってしまう人もいるという。そうした既存の結婚指輪に対する違和感から、「結婚指輪らしさより、自分らしさ」というコンセプトが生まれた。

写真奥から、店舗マネージャーの関口 尚弥さん、デザイナー兼クリエイティブディレクターの狩野 明歩さん。
「結婚指輪ってちょっと気合いを入れて選ぶ人も少なくないと思います。それもいい。ただ、実際には毎日つけるものだから、日常に寄り添うものを、という視点で探してみるのもいいと思っています。私たちが提案するのは、そんな日常に溶け込むジュエリー。気張ってなくて、純粋に欲しいと思えて、普段の装いにもマッチして、何より“毎日つけていたい”と思えるもの。自分たちらしい、ありのままで一番似合うジュエリーの提案を得意としています」と、デザイナー兼クリエイティブディレクターの狩野 明歩さん。
その思想は、素材選びにも表れている。金属の色味も、いわゆる金・銀・ピンクゴールドといった区分にとどまらず、「atelier ST, CAT」では9色のバリエーションを用意。「例えばシルバーの中にも、少しゴールドがかったものや青みを帯びたものなど、金属の配合を変えることでニュアンスの異なるカラーをそろえています」(狩野さん)。それぞれ異なる手肌や装いに自然と馴染むよう、細やかな調整が施されている。
手の骨格に寄り添うフォルム

「atelier ST, CAT」ではオリジナルのリングボックスもいくつか展開。写真のウッド素材のものも好評。
一般的なブライダルリングは、ストレート・ウェーブ・V字といった基本的なフォルムで構成されていることが多い。一方で「atelier ST, CAT」は、そうした既存の型にとらわれず、ブランド独自のフォルムをかたちづくっている。同ブランドのブライダルデザインの軸にあるのは、ハンドクラフトと曲線美だ。
「ファッションジュエリーを作っていたときから、1個1個ハンドクラフトでデザインを作っていたので、それもそのままブライダルでも生かしています。特にイヤーカフを作ることが多かったのですが、耳にはめ込む構造上、骨格を意識した細かな調整が必要になります。そういった経験もあり、リングでも同様に、人の骨格に馴染むようなシルエット作りは得意としていると思います」(狩野さん、以下同)

写真のイヤカフも狩野さん作。ブライダルやセレモニーシーンの装いのポイントにおすすめ。「atelier ST, CAT」にてレンタルできる。レンタルについての詳細はこちらから。
ファッションジュエリーの時代から培ってきた“骨格に合わせる”という視点は、ブライダルリングにもそのまま引き継がれている。
「自分の指の節にコンプレックスを持っている人も少なくありません。そんなとき、あえてそこに対して真逆とも言えるまっすぐなラインを入れてしまうと、さらに節が目立ってしまう。だからこそ、指の節々と馴染むような有機的な形をリングに取り入れたものも人気ですね」
さらに、そうした有機的なフォルムも、個々の指によりフィットするよう細やかな調整が加えられていく。こうした微調整を可能にしているのが、アトリエ併設という環境だ。
「細かい骨格の調整も、アトリエ併設で、かつ接客も行うスタッフ自身がジュエリー加工のノウハウや技術を持っているからこそできること。その人その人にあった曲線美、個々の指になるべく馴染むように、絶妙な曲線の調整ができるところも私たちの強みだと思っています」

一般的なオーダーやセミオーダーのジュエリーは、店舗で決めたデザインを職人に発注する流れが多い。一方で「atelier ST, CAT」では、スタッフ全員が制作の知識を持ち、店舗に併設されたアトリエで制作を行うため、曲線のニュアンスや感覚的な要素、細かなサイズ調整までをその場で共有し、反映することができる。
「そんな風に細かなチェックを行っていても、どうしても実際につけていくと、サイズが少し合わないこともあって。朝と夜でむくみが違ったり、つけ外しの頻度でも変わってきますよね。ブライダルリングはファッション的な要素以上に、その人の一部のように馴染むべきものだと思うので、実際に過ごしてみてどうかをみてもらって、それに合わせて調整することもあります」
ベースデザイン+カスタム。セミオーダーで仕立てるリング

実際に「atelier ST, CAT」のブライダルジュエリーをオーダーする場合、どのように選び、仕立てていくのだろうか。まずはベースとなるリングのデザイン数から見ていく。
「結婚指輪のベースデザインは約20種類、婚約指輪は10種類程度あります。さらに幅も3パターンから選べるため、同じベースデザインでも印象は大きく変わります」と、店舗マネージャーの関口さん。結婚指輪の場合は、ベースデザイン約20型×幅3種類で、単純計算でも60通りほどの選択肢がある。
「セミオーダーの考え方としては、ベースのデザイン(フォルムや幅)から好みのものを選び、そこにカスタムを加えていくこともできます。私たちとお客様で一緒に作っていくことを前提に、対話を重ねながら仕上げていきます」(関口さん)

自分らしいニュアンスを形にするうえで欠かせないのが、カスタムの工程。表面加工や素材の色味、ダイヤの配置など、細部まで選択できるのも魅力のひとつ。
「素材の色は全部で9種類。金属の配合を変えることでニュアンスの異なる色味を表現しています。ダイヤも好きな位置に入れることができ、中でもドット柄のように不規則に入れる“散りばめダイヤ”は特に人気。特別感がありながら、普段使いしやすいバランスが魅力です」(狩野さん)
人気のリングデザインをチェック
「atelier ST, CAT」で展開されているリングの中から、特に人気の高いデザインをいくつかピックアップして紹介する。
Nude(ヌード)

くぼみを持たせた、やわらかな曲線が特徴のデザイン。完全な円ではなく、わずかに歪みを感じさせるフォルムが、指に自然と馴染む。
2mm幅/8号 ¥151,000〜 ※参考価格、価格は号数や幅により異なる。(2026年4月6日現在)
Body(ボディ)

不規則な六角形をベースにしたフォルム。指の骨格に沿うよう設計されており、節にコンプレックスがある人にも選ばれている。
2mm幅/8号 ¥165,000〜 ※参考価格、価格は号数や幅により異なる。(2026年4月16日現在)
散りばめダイヤ(オプション)

ベースのリングに、小さなダイヤをドット柄のように不規則に配置するカスタム。適度な抜け感と遊びがありながら、特別感もあるバランスが魅力だ。
「中でもドット柄のように不規則に入れる“散りばめダイヤ”は人気で、適度な抜け感と遊びがありつつ、特別感もある。普段使いしやすいバランスも魅力です」(狩野さん)
ベース価格+¥50,000〜 ※参考価格(2026年4月16日現在)
完成まで約2〜4ヶ月。オーダーから受け取りまでの流れ

オーダーは、WEBから予約のうえ来店し、カウンセリングを経て進めていく。その場でオーダーすることも、一度持ち帰って検討し、後日注文することも可能だ。
制作期間は、プランにもよるがおおよそ2〜4ヶ月。シンプルな「ストレートプラン」では約2ヶ月〜2ヶ月半、制作途中のリングを試着できる「確認プラン」では約3ヶ月半〜4ヶ月となる。
「『確認プラン』では、途中のリングを一度ご自宅にお送りして、3日間ほど実際の生活の中で試していただけます。むくみや日常の動きの中でのフィット感を確認していただいたうえで、必要に応じて調整を行い、最終的に仕上げていきます」(狩野さん)
時間に余裕がある場合は、こうしたプロセスを経て仕立てていくのもひとつの選択肢だろう。
また、リングと合わせて選びたいのが、「atelier ST, CAT」オリジナルのリングボックス。

ベーシックなブラックのベロアボックスのほか、ブライダル初期から好評のウッドボックス、花モチーフを刺繍したオリジナルのサテン生地のケース(現在はグリーンとホワイトの2カラー)などを展開している。日常に馴染むリングを提案する同ブランドらしく、住空間にも自然に溶け込むデザインが印象的だ。
さらに、ボックスにはとある香りが添えられており、リングを受け取って初めて箱を開ける瞬間の“愛おしい記憶”が、香りとともに残るような仕掛けにもこだわっている。そうした細やかな演出にも、ブランドならではのおもてなしが、さりげなく息づいている。
ちなみに、カウンセリングの来店前に準備しておくべきことはあるのだろうか。
「むしろ、あまり決めすぎずに来ていただくのがおすすめです。気張らず、普段の服装で来ていただくことで、ご自身にしっくりくるものを選びやすくなります。最初にイメージしていたものと、最終的に選ばれるリングがまったく違うという方も多いですね」(関口さん、狩野さん)

オーダーは、東京・代々木上原のアトリエでの来店のほか、オンライン(Zoom)にも対応している。サンプルの貸し出しも行っているため、来店が難しい場合でも検討が可能だ。カウンセリングの予約はWEBから受け付けている。
また、地方(大阪・福岡)でのポップアップ開催実績もあり、今後も実施される可能性がある。最新情報は「atelier ST, CAT」のInstagramで随時発信されているので、気になる人はチェックしてみてほしい。
代々木上原という街で、指輪を選ぶ時間
大切な指輪を選ぶ時間そのものが、心地よい思い出になっていく街、東京・代々木上原。クリエイティブなレストランやカフェが点在し、人は多いものの混みすぎることはなく、豊かな自然に触れられる代々木公園もほど近い。都市でありながら、どこかゆったりとした穏やかな空気が流れている。
そんな街にある「atelier ST, CAT」は、指輪を“選ぶ場所”であると同時に、時間をかけて自分自身と向き合うための場所でもある。気負わず、自然体のままで訪れることで、自分にぴったりの一本に出会えるはず。
カフェに立ち寄ったり、散歩の途中にふらりと訪れたり。デートの延長として、予定のひとつに組み込むのもいい。
あなたと、かけがえのないパートナーにとっての“とっておきの二本”が、心地よい時間とともに形になりますように。

atelier ST, CAT
【住所】東京都渋谷区上原1-32-3 CABO uehara 205
【営業時間】10:00〜18:00(土日曜 〜20:00)※要予約
【定休日】火曜
【電話】03-6413-6635
【WEB】 HP / Instagram
*特別営業時間:2026年05月05日(火)10:00 – 18:00
ALL PHOTOS:SHO KATOH
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