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「お店は、街の人々に育ててもらうもの」料理人・丸山 智博さん

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まちの魅力を生み出す「人」にフォーカスする連載企画「上原人物名鑑」。第二回目となる今回は、GMT inc.でプレスを務める三浦さんからのご紹介で、「メゾン サンカントサンク(MAISON CINQUANTECINQ)」「グリ(Gris)」「ランタン(Lanterne)」など代々木上原で6つの飲食店を手がける、丸山 智博さんに話を伺います。

「上原は365日中250日飲み歩きたくなる街」GMT 三浦由貴さん

代々木上原 AELUオーナー丸山 智博さん
はじめに、簡単に自己紹介をお願いします。

代々木上原で「メゾン サンカントサンク(MAISON CINQUANTECINQ)」「グリ(Gris)」「ランタン(Lanterne)」「Bar à vin MAISON CINQUANTECINQ「AELU(アエル)」の5店舗を運営する「株式会社シェルシュ」の代表を務めています。「NAKED inc.」と共同で「9STORIES」を手がけるほか、レセプションパーティのケータリングやフードコーディネート、メニュー開発なども行っています。

(↑「メゾン サンカントサンク」のPV。丸山さんがいかに良いお店をつくっているかがわかりますのでぜひご覧ください!)

6店舗ともちがうコンセプトで、ひとつのまちにこれだけのお店を作るのは珍しいのかなと思うのですが、何か理由があるのでしょうか?
代々木上原になったきっかけは、いわば偶然ですね。たまたま運がよくて1店舗目を上原で持つことができて、そこからです。

代々木上原が好きすぎるからとかそういうのではなく…
そうですね。あ、いや、もちろん代々木上原は好きですよ(笑)大好きです。ただお店を構えるまでは、もともと代々木上原にはいくつかフランス料理のいいお店があることを知っている程度で、フレンチとの相性はいいのかなぁ、くらいの印象でした。

恋愛でいうと、はじめはそうでもなかったけど、付き合っているうちに好きになってきたパターンですね。
ええ、最近はいいお店も増えてきていて、ますます楽しいですね。
代々木上原 AELUオーナー丸山 智博さん

料理好きな青年が、代々木上原でビストロをオープンするまで

今回は、「人」にフォーカスする企画でして、まずは丸山さんの生い立ちから伺ってもいいですか?
もちろんです。

ご出身はどちらですか?
長野の安曇野です。高校生まで長野にいて、大学進学と同時に上京しました。

小さいころから、お料理はやられていたのですか?
料理は特にやっていた記憶はないのですが、小学生の頃、姉が好きな人のためにバレンタインチョコをつくるのを手伝った思い出があって。姉は不器用だったので失敗しちゃうんですけど、僕は手先が器用で上手に出来たんです。そしたら姉が、僕がつくったやつを持っていっていい?って。それはすごく嬉しかったことを覚えてます。

渡された相手は、まさか弟がつくったものとは思わないですよね。
たしかに、少し気の毒ですね(笑)。ただ小さい頃から図工だったり、手を動かして何かをつくるのは好きでしたね。あとは小中高と担任がみんな化学の先生で、その影響もあって化学がすごく好きでした。大学も工学部の化学科に進学しました。

どんな大学生だったんですか?
ずっとやりたかったバンドに熱中しつつ、居酒屋でバイトしたりして、いわゆる普通の大学生ですね。

フレンチプレスでコーヒーを淹れてくれる 代々木上原 AELUオーナー丸山 智博さん
そこから飲食の道を選ぶことになったきっかけは何だったのでしょうか?
気付いたら、大学3年生になって、まわりは就職の準備をしている中、あまり何も考えてなかったんです。仲良いバンド仲間は音楽や洋服の道に進む人もいて、当時カフェブームでもあったので、それなら自分はカフェをやろうと。居酒屋のバイトをしていても、料理も楽しかったし、おいしいものをつくって人に喜んでもらえるって最高だなって思ってたので。

まずは漠然とカフェや飲食をやりたい、というスタートだったのですね。
当時は「お店をやる=料理をつくること」という認識で、とにかく料理を勉強しなきゃ! と思って、卒業後は代官山のカフェで働きつつ料理の専門学校に1年ほど行きました。

さまざまな料理のジャンルがあるなかでも、「フランス料理」の道を選んだ理由は?
代官山のカフェで働いてる女性シェフが、フランス料理出身だったんです。いろいろ教えてもらうなかで、フランス料理って魅力的だなーと思い始めました。それから料理学校の担任もフレンチ出身だったのと、どの料理もフレンチの基本がベースになっていることを知り、自然と料理=フレンチという発想になりました。料理学校卒業後は、担任の紹介で、外苑前にあるフランス料理店「ラミ・デュ・ヴァン・エノ(L’ami du vin “Eno”)」で2年間ほど働いて、そこでみっちりフランス料理の基礎を学びました。

 メゾン サンカントサンク 店内

そこから、代々木上原で1店舗目の「メゾン サンカントサンク」をオープンすることになった経緯を教えてください。
外苑前のあとは中目黒のビストロで2年間料理長をやらせてもらって、その後原宿のレコードショップに併設されたカフェで1年ほど働きました。28歳になったころに、代々木上原のお店で働かないかという話をいただきました。

そこはどんなお店だったんですか?
専門学校時代の担任のお兄さんがやっている、「ブラッスリーベック」というフレンチのお店でした。いま「ランタン(Lanterne)」がある場所ですね。人手が足りないから手伝ってくれということで働いていると、だんだんとお客さんも集まりはじめて、今度は「ブラッスリーベック」と同じ系列で運営しているお惣菜屋「アトリエベック」でマネージャーをやらないかと誘っていただいて。ブランディングも含めて、任せてもらうことになって。

そのとき既に、1つのお店を任されたような状態だったんですね。
そうなんです。そうして少し経った頃、オーナーから店を買い取らないかと相談を受けて。
これまた急展開!
それで話がまとまったので、「アトリエベック」を居抜きの形で改装して、「メゾン サンカントサンク」に屋号を変えて自分のお店としてスタートしたのが2010年。29歳の頃ですね。

代々木上原 メゾン サンカントサンク 店内

1店舗目にオープンした「メゾン サンカントサンク」は、季節の食材を取り入れたビストロ料理と自然派ワインでカジュアルにフレンチビストロを楽しめるお店。フランス料理になじみのない人でも楽しんでもらうこと、入り口のような役割を果たせたらという想いから、客単価は4000円〜7000円とお手頃価格

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