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『HANDROOM』デザイナー兼パタンナー岡田安彦さんの代々木上原案内

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広々とした空間と、おいしい一皿「dish-tokyogastronomycafe」


続いて、上原駅方面を歩くこと10分。3軒目に訪れたのは、上原駅前にあるガストロノミーカフェ「dish」です。

「上京してすぐ、15年ほどまえから通っています。はじめに働いた会社のオフィスがこの近くで、週1でランチにきていました。ご飯がすごくおいしいのと、上原近辺で、このくらいの規模のお店ってなかなかなくて。友人家族が遊びにきたときなど、広い席もあるので重宝しています」

座席はテーブル席、ソファー席、晴れた日に気持ち良いテラス席、小上がりになったソファー&チェア席など多数。岡田さん曰く「トイレも広くてお洒落なので要チェックです!」とのこと。

 

そして、「dish」の名物が、サクサクとろとろのパイ&マッシュ!

パイ&マッシュ(5種のチーズパイ )¥1,900

 

あけると、ブワーっとなかからチーズがでてきまして、パセリソースとサクサクの生地とのハーモニーを奏でます。マッシュポテトとのつけあわせは、18世紀から続くイギリスのトラディショナルスタイルです。

 

dish ライス ¥926

岡田さんのお気に入りが、こちらの「dishライス」。「オープン時からの定番オリジナルメニューです。ライスサラダの豪華版のようなものです」

「長年通っているのですが、dishオーナーシェフの益田さんと面識ができたのはここ数年なんです」

 

ずっと通っているけれど、ちゃんとお店のことを聞いたことがないかも、、ということでこの日、オーナシェフの益田尚吾さんに詳しいお話を聞くことができました。ここからは岡田さんと益田さんの対談形式でお届けします。

 

岡田安彦さん(以下、岡田):dishって、いつからスタートしたのですか?

益田尚吾さん(以下、益田):2002年からなので、いま16年になりますね。岡田さんは一時期、dishライスから手羽先がなくなったからってことで来なくなった時期があるんですよね。

岡田:そうです(笑)。手羽先が重要で。たしか益田さんがお店にいらっしゃらなかった時期に若干内容が変わっちゃって。

益田:はい、自分が戻ってきて、今は手羽先もレシピを変えて、美味しくなって帰ってきました。


岡田:気になっていたのですが、ミートパイってどこから持ってきたんですか?

益田:パイ&マッシュは、イギリスの中でもロンドンにしかないパイ料理なんです。ミートパイにマッシュポテトが乗っかって、パセリソースがかかるスタイルは、200年以上前からあるんです。

岡田:あ、そうか。だからイギリス人をここに連れてくると絶対喜ぶんですよね。

益田:そうそう。通ってくれているイギリス人の方は、いかにもロンドンっ子っぽい食べ方で。まず「ダブルで」と言われて、それはパイをふたつ、マッシュもふたつ。はじめにバン、バンってパイをひっくりかえして、裏から切って、手早く混ぜながら食べていました。

岡田:表のほうがかたいから、まず裏返すんですね。

益田:そうです。ひっくり返した方が切るときに安定感があるんでしょうね。見た目はきれいとは言えませんけど、粋に見えました(笑)。

岡田:益田さんは、ロンドンで留学していてそれを知ったとか?

益田:いえ、dishをはじめるにあたって、何かメインになるものはないかなーといろいろと本をめくっていたら、ロンドンのパイ&マッシュってのが見つかったので、これだ!とおもってお店に国際電話をかけて。教えてもらいいんだけどいいですか、ってきいたらいいよいいよ、って。

岡田:すげー!

益田:そこから渡英して、1ヶ月くらい毎日お店に通って。生地の練り方から、肉屋の仕入れにもついていったりして。英語はまったくしゃべれないんですけどね。ノリでなんとか。

岡田:金型もつくったんですか?

益田:型はね、そのお店でもらったんです。50年前から使われてるやつだぞーっていうのを。

岡田:その動きがdishのオープン前で、ただ一時期dishにいなかったときもありますよね?

益田:dishの前身になるお店を中目黒で21歳のときにはじめていて、ここは26歳の頃立ち上げたこともあって、いろんな経験が足りずにどこか行き詰まってしまって。オープン後1年で、イタリアに3年、スペインに3年、計6年ほど、ここを経営しつつ、小さなお店から星付きのレストランまで修行に行ってたんです。

岡田:そうか、僕が通い始めたのが15年まえだから、ちょうど益田さんが海外に行ってすぐくらいのころだったんですね。ていうか経営しながらそんな修行するって可能なんですか。

益田:中目黒時代からの右腕的なスタッフがたくさんいたので、なんとかなっていました。だけど6年ぐらいしたら、さすがに帰ってこいと。自分が帰ってきたら、みんな独立していきましたね。

岡田:向こうで働いていたお店ってどんなところだったんですか?

益田:最後にいたのは、スペインの「エルセエールデカンロカ」というところで、自分が辞めた直後くらいにたしか世界一のレストランになったところです。

岡田:めちゃくちゃすごいところじゃないですか。

益田:あとは「ムガリッツ」とか「エル・ブジ」のホテル、イタリアだと「コンバルゼロ」とか、だいたい1つか2つ星の、勢いがあるお店を選んで働いていました。現場では、現地の料理人仲間と毎日どこそこが熱いらしいぞ、なんて話をしていたので。レストランだけでなく、本場のいろんな業態を見たくて市場のバルや、郷土料理のおいしい店でも修行しました。

岡田:dishの夜のご飯がめちゃくちゃ美味しいのはそういうことだったんですね。メニューもフレンチとかイタリアンとか、レストランで食べるようなものが差し込まれていて。

 

益田:やー嬉しい。ありがとうございます!

岡田:それで、dishをまだ知らない人に紹介するにあたって、どんな肩書きでいうのがいちばんいいのかな、ってさっき話していて。単純に、カフェ!でもないよなーと思って。

益田:それは店名にガストロノミーカフェってつけています。「ガストロノミー」というと、いわゆる液体窒素を使ったり、のイメージなんですけど、Wikipediaで調べると「美食」とか「料理と文化の関係」みたいな意味なんですね。本場のヨーロッパでも、レストランだけじゃなくて、クラシックなお惣菜屋さんとかもガストロノミーと謳っていたりして、決して高級レストランだけのものじゃないんだなって。自分も現地のレストランでまさに液体窒素とかやっていたし、上原でもすこし試してみましたけど、やはりちょっと唐突で(笑)。最新のテクニックではなく、エッセンスとして、ガストロノミーを織り交ぜていけたらといろいろ試みています。

岡田:いやーお話がきけてよかったです。これからも通います!

益田:こちらこそ!今後共よろしくです!

 

 

dish-tokyogastronomycafe
【住所】東京都渋谷区上原1-33-16 オオツカビル 2F
【営業時間】
月~木(平日)
ランチ 11:30~17:00(L.O 16:00)
ディナー19:00~24:00(L.O 23:00)

金・祝前日
ランチ 11:30~17:00(L.O 16:00)
ディナー19:00~26:00(L.O 25:00)

連休・土
11:30~26:00(L.O 25:00)

日 ・祝・連休最終日
11:30~24:00(L.O 23:00)
【URL】http://www.dish-organic.com
<プロフィール>

岡田 安彦
おかだ やすひこ / HAND ROOM クリエイティブディレクター。元TABLOID NEWSパタンナー。メンズパタンナー、企画コンサルタントとして多くのコレクションブランド、ドメスティックブランドをクライアントに持つ。
WEBサイト:http://handroom.jp

 

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