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“お茶”と向き合うひととき。「LEAFMANIA 代々木上原」で出会う、中国茶器と豊かな茶事

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人気の飲食店や話題のショップが集う代々木上原で、知る人ぞ知る“ティースポット”として、そっと花を咲かせる場所がある。それがこの「LEAFMANIA(リーフマニア) 代々木上原」。中国茶を軸にしたお茶の文化と楽しみ方を提案するアートギャラリー&ティーハウスで、昨年11月、上原のランドマーク的スポット「CABO(カボ)」の一角にオープンした。

紹介に先立って述べておくと、ここはいわゆるカフェや喫茶店とは異なる“お茶と向き合う場所”。お友達とのおしゃべり目的のティータイムの予定なら、あまり適さない。なお、現在茶葉の販売はしていないので、あらかじめご理解を。

 

1Fギャラリーと2F茶房で構成される「リーフマニア 代々木上原」


1階 ギャラリー

個性豊かなテナントがそろう「CABO」の中で、「リーフマニア 代々木上原」も独自の美学を見せる。凛として端正な内装は、京都と東京に拠点をおく一級建築士事務所「koyori(こより)」によるもの。

「リーフマニア 代々木上原」は2フロアで構成されており、1階はアートギャラリーで、主に中国茶器と茶にまつわるアート作品を展示販売。不定期で企画展も開催され、5月18日〜6月1日までは、アーティスト・山田愛さんの個展が行われている(※本記事掲載の写真は過去の展示風景)。なお、企画展がないときには、常設展として、オーナーの孟 繁林さんが買い付け、蒐集する逸品の茶器が並ぶ。こちらも大変見応えがあるので、企画展期間外のときにもぜひ足を運んで。

続いて、階段を上り、2階へ。

2階 茶房

2階は、丁寧に淹れられた自然茶を堪能できる空間。1階とはまた異なる雰囲気で、趣のある空間の随所には、国内外で定評のある和紙職人・ハタノワタルさんの和紙が施されており、しなやかな光沢と感触を与えている。最大5名という限られた客席数なので、事前予約は必須。ふと思い立って訪れたくなった場合も、一度TELにて問い合わせるのが良さそう。

 

茶房でお茶を嗜み、お茶と向き合ってみる

BGMはなく、所作の音と少しの会話のみ。心地よい緊張感の漂う空間でストイックにお茶と向き合ってみる。「リーフマニア」のスタッフがたびたび口にする、“お茶と向き合う”とはどんなことだろう? 気になったら体験してみるのがいい。

お客さんが席に着くと、スタッフがお茶の準備を始める。今回担当してくれたのは、上田真由さん。シンプルシックな装いが空間にマッチして素敵。お茶は数種の中国茶から選ぶことができる。取材時は、スタッフレコメンドの「プーアル熟茶・雲南臨滄」を淹れてもらうことに。メニューも非常にシンプルかつストイックで、純粋にお茶を楽しむことが目的となっている。なにかイベントや特別な機会でもない限り、基本的にお茶菓子の提供はなし。理由はもちろん「お茶に集中して欲しいから」とのこと。


メニューとケースに入った茶葉のサンプル
「プーアル熟茶・雲南臨滄」の茶葉

きゅっと縮まった茶葉は、お湯を注いだ茶壺(“チャフウ”と読む、急須)の中でゆっくりと広がり、味や香りが抽出されていく。この空間で過ごしていると、所作のひとつひとつ、香りの変化、沸かした湯の湯気など、普段なら見逃してしまいそうなディテールに気が付く。空間を改めて見返すと、室内のつくりから調度品まで、各所に美しさが溢れていた。


なんとも優美な手洗い鉢。

出窓には、このとき企画展で扱っていた韓国の作家の茶器が並んでいた。ギャラリーで扱う作家や作品は、すべてオーナー自らがキュレーション。そして、自分で声をかけて、取り扱いの交渉をしているのだそう。

シノワズリな模様が入った茶壺。手製の作品ならではのクラフト感が味わい深い。同じものはまたとない、アートな茶器。「リーフマニア」で扱う茶器は、数千円のものから数十万円するものまで。大切なお気に入りをいつか手に入れたい。

 

茶房内を鑑賞していると、お茶が淹れ上がった様子。

この器は、手のひらにのるくらいのサイズ感。丁寧に淹れていただいた一煎目を撮影させていただく。澄んだ甘い香りも、佇まいも素敵で、誰に言われなくとも大切に味わってみたくなる。「考えるな、感じろ」という言葉があるけれど、“お茶と向き合うこと”は、まさにそんな感じ。淹れていただいた「プーアル熟茶・雲南臨滄」は、なつめのような甘い余韻が印象的で、身体がじわじわと温まるような、滋味深い味わいのお茶。私たちが普段口にする中国茶とは少し異なる味ながらも、どこか懐かしく、すっと心身に馴染むフレーバーだ。

このあと大体3〜5煎淹れていただき、味や香りの変化を楽しんでいく。お茶だけでどこまでも没入できる、そんな「リーフマニア 代々木上原」。

「1人で行ってもいいですか?」という質問もよくあるけれど、もちろんOK。「友人と話すための店ではないから、むしろ、1人でじっくりお茶を味わっていかれる方が多い」のだとか。普段、生活の中で飲むお茶とはまた少々意図が違う“向き合うお茶”。様々なシーンで、様々なスタイルで、多様な茶の世界がある中で、「リーフマニア」で味わうお茶もまた唯一無二で、貴重な体験となるはず。

また、毎月、「瞑想」「ヴィーガンお菓子」「英会話のお茶会」など、テーマを設けたイベントのお茶会(いずれも要予約、イベントスケジュールはリーフマニアのInstagramを要確認)も開催されているので、こういったイベントをきっかけに足を運んでみるのもアリ。

お茶を飲みに訪れる際は、香りの強い香水や口紅の使用は避けるのがベター。また、空腹のままの参加も避けるのが適切。

 

手始めに手に入れたい、MY茶器「宝蓋 BAOGAI」

村上雄一「宝蓋 BAOGAI」¥13,200(税込)

茶房でお茶を楽しんだ後、自分でもお茶を淹れてみたくなったり、こだわりの茶道具を手に入れたくなったなら、まずはリーフマニアスタッフがおすすめする村上雄一さんの「宝蓋 BAOGAI」をチェックしたい。本品は、村上雄一さんの茶器づくりに「リーフマニア」も携わった王道の白磁蓋碗の「宝蓋 BAOGAI」。1300度の高温で焼締めた硬度の高い釉薬は、お茶の持つポテンシャルをそのまま引き出せて、お茶の色も鮮明に見える。加えて、気になる茶渋も付きにくいのだそう。片口と碗と蓋が一式セットになっているので、1人のお茶時間にも最適。セットの3パーツはスタッキングが可能なので、収納や持ち運びにも便利なところもポイント。中国茶のみならず、日本茶や紅茶を淹れる道具としても活用できそう。ギフト需要も高く、人気商品なので、欠品・入荷待ちとなることもしばしば。気になっていて、在庫があったなら、そのときゲットしておくのが正解と言えそう。

 

代々木上原に来たら、行っておくべき場所 is「リーフマニア」

「リーフマニア」は、この街の文化的資本と行っても過言ではないかもしれない。カジュアルに楽しめるカフェや喫茶とは異なるベクトルで営まれるお茶の店。各所から代々木上原を訪ねてきた親族や友人、訪日中の外国人に「代々木上原に来たら、行っておくべき場所は?」と聞かれたら、ここは必ずリストアップしたい。

アート好きやティーマニアはもちろん、仮に、その人がアートや茶器やお茶の嗜みに対して、そこまで興味がなかったとしても「まずは訪れてみてよ」と諭したくなる。お茶にまつわる知見がなくたって、その扉を開いた瞬間から一目惚れ級の感動や発見があると思うから。

そして、何か惹かれるものがあったならば、ぜひ、2階の茶房でお茶を味わい、琴線に触れる出会いがあったときには、そのとっておきの茶器も手に入れてみて欲しい。

人生を豊かにする茶の文化と出会い・体験できる場所、それこそがこの「リーフマニア 代々木上原」なのです。

LEAFMANIA Yoyogi Uehara

【住所】​東京都渋谷区上原1-32-3 CABO 105 1F Gallery / 2F Tea house

【営業時間】13:00〜17:00 ※17時以降の営業は予約制のイベントのみ、茶房の予約フォームより要予約。

【定休日】日曜・月曜

【電話】03-6826-2019

【メール】info@leaf-mania.com

【WEB】 HP / Instagram ※直近の展示やイベントのスケジュールはInstagramを確認。

ALL PHOTOS:SHO KATOH

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