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“ビカクシダ”という植物をとおして、人と人がつながる楽しさを提供する。「IMAMA(アイママ)」ディスプレイデザイナー宮原隆作さん

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コロナ禍でライフスタイルが変化し自宅で過ごす時間が増えた昨今、花や野菜を育てたり観葉植物を部屋の中に飾って癒しをもらったりと、植物との距離が近くなったような気がします。代々木公園も都心の中の貴重なオアシスとして、たくさんの人が訪れる人気スポットであることはいうまでもありません。 закрыть дебетовую карту онлайн

さらに、代々木公園エリアの商店街の裏通りに、エキゾチックなフォルムと、成長のしかたのユニークさで植物好きから人気を集めている着生植物ビカクシダ(別名、コウモリラン)が、あたかも熱帯雨林のように生い茂っている不思議な空間があるのをご存知でしょうか?

そこは「IMAMA(アイママ)」という、ビカクシダの展示企画や着生板の制作活動を行う宮原隆作さんのアトリエ。

今回は、ディスプレイデザインのプロフェッショナルとして活躍するかたわら、まるでアート作品のようにフォトジェニックなビカクシダを扱って、国内のさまざまな場所でのイベントで、ビカクシダ板付ワークショップを実施している宮原さんに注目しました。

アトリエの名称「IMAMA(アイママ)」を逆さに読むと、宮原さんの故郷「AMAMI」になる

「とにかく数をこなす」家具づくり

――宮原さんは、世界自然遺産にも登録された奄美大島のご出身なんですね!自然豊かな南国の島から大学入学を機に上京したそうですが、どんな大学生活を過ごしていたのでしょうか?

奄美大島で育った頃はまだインターネットが普及していない時代、東京の情報は主に雑誌で収集するもので「異国の情報」として海を持って渡って来る、そんな世界でした。単純に「デザイン」っていう響きだけで、芸術系の大学へ進学をしました。

大学ではプロダクトデザインを専攻しましたが、手を動かすのが楽しくて大学にある工房にこもって家具作りをしていました。作りたい思いと裏腹に、自分では製作費がなかったので友人たちに欲しいものがないかを聞き、素材やデザインを提案して材料費を出してもらって作っていました。そのときはとにかく数を作り製作と検証する経験が欲しかったんです。

――大学を卒業してから、30歳で独立するまでさまざまな下積み時代があったそうですが、どんな経験を重ねていたのでしょうか?

大学3年の頃から家具屋で現場取り付けや製作のアルバイトをしていて、そのまま卒業後も家具職人の見習いとして工房に就職。いろんな現場を見せてもらいながら業界の人たちと出会うチャンスを得ました。

その後、大学の先輩から突然連絡があり、ディスプレイデザイン会社で働くチャンスをもらったんです。大手百貨店のショーウインドウや店内装飾を年間通して運営した約5年間の経験は、現在の活動に活かされています。

その時に必要なことをホンキでやり続けると、”点”と”線”がつながる

――その後2008年に、株式会社Flyingを設立。独立後はどんな活動をなさっていたのでしょうか?

30歳という節目と結婚したタイミングで自分の会社を設立。大手化粧品メーカーのイベントの空間デザインや百貨店のディスプレイなどに携わり、大きな流通や時代の先端を肌で感じながら活動することができました。

――家具職人の見習いからアルバイト、会社員を経て、独立することを選択した宮原さんは、”働く”ことの意識に変化はありましたか?

会社員だった頃は、正直”働く”ことの意味がわかリませんでした。「誰のために、何のために絵を描いてるのか?」という目的が曖昧でしたが、独立して働くようになって意識が変わっていったんです。
デザイナーとしてクライアントの要望を満たせるように意識して学び、意図して伝えることを繰り返す中で少しずつ変わってきたのかなと。

家具職人からイラストやCG、ディスプレイデザインまで幅広くやってきましたが、その時々に必要だった技術を自分で学んできたから、それぞれの表現を融合した今の仕事がある。まさに”点”と”線”が繋がっていったんだと思います。

植物は、都会の中に存在するとさらなる価値が生まれる

――ディスプレイデザインのプロフェッショナルとして活躍している宮原さんが、ビカクシダとハンギングプレートの企画制作を始めたきっかけは何だったのでしょうか?

植物自体はディスプレイの仕事で素材としてよく扱っていたので大好きでした。5、6年位前に珍奇植物が流行り出して、いろんな種類を調べたらビカクシダ(コウモリラン)を見つけたんです。

購入しようとグリーンショップを見て回りました。植物自体はカッコいいけれど、焼杉の板についた状態が自分の好みじゃない。もう少しカッコよくインテリアに馴染むものが欲しいと思ったんです。

スタイリングも含めて都会的な生活空間にインテリアとして飾ってもおかしくないように、エンブレムを型取った着生板をデザインしました。

ビカクシダを付けるとまるでハンティングトロフィーのように”鹿の剥製”を飾っているように見えるところもポイント。植物のグリーンは、都会の整備された環境の中にあると、さらなる価値が生まれるんです。

――熱帯地方の着生植物という、まだ私たちの日常で馴染みがないビカクシダは、成長のしかたや育て方などどんな特長がありますか?

ビカクシダは漢字で表記すると「麋角羊歯」。麋角とはヘラジカの角のことであり、この植物の葉がシカの角に似ていることによります。他の植物のように土壌に根を下ろさず、他の木や岩盤などに根を張って成長する熱帯地方の着生植物で、胞子葉と貯水葉の2種類の葉を持つのが特徴です。

枝分かれする植物が多い中、成長点がひとつというのもビカクシダのユニークな所。ビカクシダは過湿に弱いため、しっかり乾燥してから充分な水を与えるように、緩急をつけた水やりが育て方のポイントになります。

「IMAMA」の着生板は、そんなビカクシダの性質を考慮しています。木材は反りや割れが少ない針葉樹合板を使用しウレタン塗装で仕上げています。板の中心部に大小開いた穴からも植物の根に水を与えることも出来、また通気性も良く、蒸れにくくなるように考慮されています。

ビカクシダという植物をきっかけに、人と人がつながる楽しさを提供

――代々木公園近辺にあるアトリエで、8月からスタートしたワークショップについて教えてください。

以前よりアトリエで非公開のワークショップやイベントをやっていましたが、コロナ禍の影響でディスプレイの仕事が減って時間に余裕ができたんです。

現在は週2回の不定期開催ですが、Instagramで告知をしてビカクシダ板付ワークショップを開催することにしました。ビカクシダ板付ワークショップを通して、ビカクシダという”植物”を知ってもらい、植物のある暮らしの楽しさが伝わっていけばいいなと考えています。

ご自分で板付したビカクシダはより愛着を持って育てることができますよ。

空間で存在感を放つビカクシダは、宮原さんの生き方そのもの

ディスプレイデザイナーとして豊かな表現力を発揮し、ビカクシダの伝道師として人をつなぎムーブメントを起こしている宮原さん。

土壌に根を下ろすのではなく板と水苔にしがみつき、太陽の光と水分を最大限に吸収してダイナミックに葉を広げ、いつの間にか空間の主役になっているビカクシダは、宮原さんの生き方・働き方とどこか似ているようでした。

 

IMAMA(アイママ)
住所:東京都渋谷区富ヶ谷1丁目44-22
TEL: 03-6804-7960
営業時間:※要確認
Instagram / EC

※ワークショップの参加をご希望の方は、インスタグラムの告知やダイレクトメッセージでお問い合わせください。

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