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“家族との時間を大切にしたい”。そんな想いから生まれた愛の餃子カフェ「FIL#(フィル)」

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世界初の「餃子カフェ」で本格派の手づくり餃子とコーヒーを味わう

「コーヒーを楽しむような気軽さで餃子を楽しんでほしい」というのが「FIL#」のコンセプト。

「代々木上原に特別思い入れがあるわけでもないですし、すごくかっこいいストーリーがあるわけじゃないので、僕らでいいんですかね?」。取材依頼をさせていただいた時、そんなふうに遠慮がちに話す糸井さんが印象的でした。

ここは、西原エリアにある餃子カフェ「FIL#(フィル)」。餃子とコーヒーを提供するカフェなのですが、餃子は皮から手づくり、コーヒーはハンドドリップと、どちらも本格派の味が堪能できるとあって、遠方からわざわざファンが訪れる人気店です。

コーヒーの入った餃子「GYOFFEE(ギョーフィー)」や「ジンジャー餃子」、「ごまきなこメープルラテ」などユニークなメニューもあり、テレビや雑誌での紹介も多いのですが、ご主人の糸井佑太さんは「恥ずかしいので…」と一切メディアには出演されていないとのこと。了解です!

「カタネベーカーリー」の通り。「一食」のお隣さん、でわかりますか?

餃子とコーヒーというユニークなメニューに惹かれたのはいうまでもないのですが、個人的には「FIL#(フィル)」のプレーン餃子があまりのおいしさだったことに衝撃を受けました。「この味を出せるなんて、ただものではない!」いったいこの夫妻は何者なの? オープンしたのは2年前の2019年3月。まもなく3年目を迎える「FIL#(フィル)」のオーナーご夫妻、糸井佑太さんと糸井ちひろさんに、オープンまでの経緯や餃子愛、コーヒー愛について伺いました。

オーナーの糸井佑太さん。餃子づくりに関わって10年という筋金入り。

小さなカウンターや可愛い小窓のあるキッチン。

店内にはテーブルが4つ。全10席ほどのこじんまりさが心地よい。

ー餃子カフェの構想はどのようにして生まれたのですか?

糸井佑太さん(以下:佑太さん):僕は自分の店を持ちたい気持ちはあったのですが、もともと飲食関係の会社員をしていて、「いつか余裕ができたら」くらいの感じだったんです。でもたまたま家の近所にこの物件の空きが出たと知って思い切りました。前はカレー屋だったみたいで、キッチンもそのまま居抜きで借りました。

糸井ちひろさん(以下:ちひろさん):私は表参道のカフェでずっと働いていて、カフェを開くのが夢だったこともあって、彼は餃子のお店をやりたいと言っていたので、じゃあ両方やろうかってことになったんです。

佑太さん:どうせやるなら誰もやっていない、面白いことがしたいなと思って、餃子とコーヒーを組み合わせた「GYOFFEE(ギョーフィー)」を開発したんです。最初は店の名前も「GYOFFEE(ギョーフィー)」にしようかと考えていました(笑)。

こちらが噂の「GYOFFEE(ギョーフィー)」500円。皮にコーヒー、具にコーヒーゼリー入り。タレはレモン汁でどうぞ。

あふれ出る肉汁!?と思いきやコーヒーゼリーが溶け出ている模様。

ーなぜ餃子屋さんをやりたかったのですか?

佑太さん:僕、めちゃくちゃ餃子が好きなんですよ。宇都宮生まれ、宇都宮育ちで、いわゆる「餃子の町」で育ったことも大きいかもしれません。餃子って毎日食べても飽きないし、嫌いって人聞いたことないんですよね。中国では縁起の良い食べ物として正月やお祝い事の時に食べますし、みんなで包んで食べるという行為そのものが幸せの象徴のようにも感じるんです。たこ焼きと似た感覚ですね。あとはカフェでコーヒーを飲むくらいの気軽さで餃子を食べられる空間をつくりたかった。おじさんばっかりの大手のチェーン店に抵抗ある人も多いんじゃないかなって。

ちひろさん:餃子愛にあふれちゃってるよね(笑)。実は我が家は子どもが3人いるので、自分たちのお店を持つことは家族のためでもあったんです。中学一年生と小学3年生、年中さんなのですが、親が二人とも会社員だと子どもが病気をしてしまうとやっぱり大変で、少しでも時間に融通が利くようになるといいねと話し合っていたんです。

佑太さん:子どもが熱を出したらおばあちゃんにわざわざ来てもらって、妻は仕事に行くっていう。しょうがないんだけど僕はそれが嫌だったんです。フルタイムで働いているとやっぱり子どもと過ごす時間は少ないし。その解決策でもありました。

ー3人もお子さんがいらっしゃったのですね!

ちひろさん:お店の餃子ロゴは3人の子どもたちでもあるんです(笑)。仕込みは大変ですが、会社員時代よりも家にいる時間は増えました。子どもたちを学校に送り出してから、9時半に店を開けています。本当はもっと早朝からオープンした方が通勤する方にコーヒーを買ってもらえたりするんだろうけど、子ども優先にしようねって。

この可愛い餃子ロゴは糸井家の3人の子どもたちの象徴でもありました。

佑太さん:とはいえ、いざ自分の店となると責任も大きいし、気軽に店を閉めて旅行に行くこともできないんですよね。考えなきゃいけないことも増えて大変ですが、子どもに自分たちが働く姿を近くで見せられるようになったのは良かったですね。

ちひろさん:オープン前に子どもたちと一緒に壁塗りをしたこともいい思い出ですね。

お店は子どもたちと一緒にDIY。

ーオープン当初から売り上げは順調だったのですか?

佑太さん:ありがたいことに、宣伝をなにひとつしなかった割りにはお客さんは来てくださっているように思います。「GYOFFEE(ギョーフィー)」が珍しいとテレビなどで紹介されたことで、インフルエンサーの方々も来てくださった。SNS効果はすごいですね。

ちひろさん:オープン前から行列ができちゃって「どうしよう」ってなったよね(笑)。席数は少ないし、餃子を焼くのは10分程度かかるので、どうしても待たせてしまうので申し訳ない気持ちになってしまって。

四角いフライパンで餃子を焼き上げる。注文を受けてから茹でて焼き上げるので調理には10分程度かかる。

毎日50〜60個の餃子を仕込む。

包み終わったら焼印を押して冷凍。

ロゴをかたどったオリジナルの焼印が可愛い!

佑太さん:コロナ禍でテイクアウト需要が増えているのですが、餃子って焼きたてじゃなきゃ美味しくないし、冷凍で販売するべきか、今後の課題ですね。

ーずばり、餃子とコーヒーのおいしさの秘密は?

佑太さん:餃子でこだわっているのは食感ですかね。水と小麦だけで皮をつくっているのですが、モチっとした食感を残しながらも焼いた時にパリッとした食べ応えを目指しています。うちは冷凍させたものを茹でているので、皮を少し厚くしています。あとは、白菜とキャベツを大きめに切ることでザクッとした野菜の食感も楽しめます。

こちらはプレーン餃子400円。豚肩ロースと国産野菜たっぷり使用。

本当に野菜がぎっしり!

ちひろさん:これは宇都宮風ってわけじゃないんだよね?

佑太さん:宇都宮風の味を意識したことはないね。バイト先の餃子屋さんで培った知識と自分の好みの味を合わせながらアレンジした感じです。「GYOFFEE(ギョーフィー)」は試作にだいぶ時間をかけました。餃子の中にコーヒーゼリーを入れているのですが、最初はそのままコーヒーを混ぜてみたりといろいろ作ってみました。最終的には、おいしい餃子を食べてもらいたかったのでそこまでコーヒーを主張することなく、肉との相性の良さを感じられるバランスを追求しました。

ちひろさん:コーヒーは初台の「ムルマ コーヒーストップ」さんで焙煎してもらっています。自分でカフェをやるなら、好きな味のコーヒーを出したいと思っていたので、いくつかカフェをリサーチしながら最終的にムルマさんにたどりつきました。夫が浅煎り派、私が深煎り派だったのでどっちも出そうと。エスプレッソは深みがあって苦味も強い豆を使っています。

豆は初台にある「ムルマ コーヒーストップ」で焙煎したもの。

一杯一杯ハンドドリップで淹れてくれる。

ー最後に、お店の名前「FIL#」の意味を教えてください

佑太さん:FILはFILAMENT、電子の糸という意味です。名前が糸井なので。#は井。ハッシュタグの意味もあって、これからお店が増えたら「FIL#1」「FIL#2」にしようかなと。

ちひろさん:え!そんなこと考えてたの!?

佑太さん:言ったことあるでしょ(笑)。この店が成功したら、チェーン展開していけたらいいなと思っています。

FILはFILAMENT、電子の糸という意味だそう。糸井さん、なるほど。

1時間にわたるご夫婦へのインタビュー中、お店やお二人を包む空気がとてもゆったりと穏やかに流れていました。餃子は幸せな食卓の象徴。糸井さんの家族を想う気持ち、そして餃子とコーヒーへの愛情がくるりと幸せなオーラに包まれて、「FIL#」という味わい深いお店が誕生したのだなあ〜。あふれ出る肉汁を堪能しながら、こちらまで幸せになる取材となりました。

「FIL#」の餃子を食べに行きたくなった方は、事前予約がベターです!

FIL#
住所:東京都渋谷区西原1丁目7−8 ツインパレスKI
営業時間:[木・金]9:00~15:00 [火・水]9:00〜15:00 17:00〜20:00 [土・日] 11:30~20:30
✳︎基本は上記ですが、変更ありの為ご来店前にInstagramを確認下さい。

定休日:基本「月曜日」ではありますが、こちらも変更ありの為ご来店までにInstagramをご確認下さい。
TEL:050-5361-8428
Instagram

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