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足元のお洒落をもっとカンタンに。「プレイグラウンド」が提案する、ファッションとしてのスニーカー選びとは?

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世は空前のスニーカーブームです。

人気ブランド同士のコラボや、限定モデルなどは即完売が当たり前。抽選日はユーザーのアクセス数が多すぎて、予約サイトのページが開けないなんてこともザラ。

人気が出そうなスニーカーはSNSを通じて発売前から話題を呼び、発売後には「プレ値」と呼ばれる価格での転売が常態化しています。もはや投機の様相を呈しているスニーカー市場ですが、この流れは当然のことかもしれません。

メーカーの供給に対し需要が追いつかず、希少価値を高めたスニーカーの価格が上がる。人気商品はどんどん価値を増していき、逆に、その流れに乗れない場合は定価割れを起こす。いずれにせよ市場にはあふれんばかりの購買者が流入し、雪だるま式に市場が大きくなっていく。

これが現在のスニーカーを取り巻く環境であり、異常なまでの価格高騰を引き起こしている構造といえるでしょう。これまで幾度となく繰り返されてきたスニーカーブーム。時代は変われど、その仕組みは同じようなものです。

もちろんこの現象を、頭ごなしに悪だと断じることはできません。転売などの問題こそあれ、人気商品に「プレ値」がつくのはどの業界も一緒。供給と需要のバランスが取れていないのですから、欲しがる人が増えるのは至極当然のことなのです。

そんなヒートアップする時代の流れに逆らうように、独自の視点でスニーカーをセレクトする店があります。

それが、2018年に創業された「プレイグラウンド」。代々木公園すぐそばに位置するこのショップは、流行に左右されない、それ自体が価値を持つスニーカーを多数取り扱っています。

共同代表のひとり、松本龍彦さん

「ここ2~30年のかっこいいスニーカーがただただ並んでいる、というセレクトを意識してます。スニーカーの歴史やマニアっぽいウンチクももちろんいいのだけれど、それは一旦置いておく。もっと気軽に、まずは見た目がかっこいいものを選びましょうよ、という提案ですね」と松本さん。デザイン会社の代表も務める彼が、同店のコンセプトを包括的に考案しています。

もうひとりの共同代表、草賀雄介さん

「ただ、リユースのスニーカーって、ぶっちゃけ2008年より前くらいのものは履けない場合が多くて。たとえ未使用で見た目がキレイでも、ちょっと曲げたらアッパーとソールが剥がれちゃったりするんですよ。なのでリユースの場合は、履ける状態に戻して、それをお客さんに提案するという感じです」と草賀さん。大のスニーカーフリークでもある彼は、セレクトやカスタムに関する分野を担当しています。

店舗は代々木公園駅2番出口から徒歩5秒

プレイグランドが取り扱うスニーカーは、主に3つのラインから構成されているのだとか。リユース、アップサイクリング、そしてオリジナルです。それぞれ、どんな視点でセレクト及び製造をしているのでしょうか。くわしく話を聞いてみました。

1.リユースライン

松本さん:ふたりで店を始めるとなったときに、草賀さんのスニーカーに関する知見を最大化したいと思ったんです。なので、「まずはリユースを取り扱ったら面白いよね」という話になりました。で、中古のスニーカーショップはいっぱいあるけれど、コンセプトを立ててセレクトしているところをあまり見たことがなかったんですね。雑然と置いてあるような感じで。

──たしかに、その傾向はありますね。

松本さん:古着屋さんはそれがあるじゃないですか。ミリタリー系、アメリカ古着、ヨーロッパ古着、みたいに。でもスニーカーには、それがなかったんです。だから僕らは、そこに挑戦しているというか。

草賀さん:そうそう。

松本さん:いまは若い人も年配の人も、女性だって古着を買いますよね。なので、スニーカーもそうなったらいいな、と。

──どんな基準でリユースのスニーカーを選んでいますか?

松本さん:草賀さんがセレクトをしているんですが、ずっとアパレルの営業をやっていたので、市場のニーズを感じとるみたいな行為を無意識にやっているんだと思うんですね。

これまでに草賀さんが見て来たアーカイブがあって、「あれがあのとき高騰したな」とか「あれが人気あったな」みたいな。だから客観性がすごいあるんです。思い付きとかではなく、培ってきたデータベースに照らし合わせて、それを基準にセレクトしているような感じです。

2.アップサイクリングライン

松本さん:その次は、リユースのスニーカーにカスタムを加えた「アップサイクリングライン」ですね。

──このラインには、どんなスニーカーがあるのでしょうか。

草賀さん:現状は、リユースのスニーカーに「フィドロック」もしくは「フリーロック」というパーツを加える2パターンがあります。

ナイキの「ソックダート」にフィドロックをカスタム

ナイキ×シュプリームの「エア フマラ」にフリーロックをカスタム

──なぜ、これらのパーツを選んだのでしょうか?

草賀さん:まずフィドロックですが、これはドイツ製で、工業的に洗練されているんですね。単純にパーツとしてかっこいい。ナイキなんかは、登場した早々から使っていました。スニーカー好きの男性って、こういうギア感というか、「パチコン!」みたいなギミックが好きだと思うので。

次にフリーロックですが、こうしたダイヤル式のスニーカーってそもそも、1990年代にプーマが始めたものなんですね。「ディスク ブレイズ」というモデルです。

それが、初めてダイヤルを回して足にフィットさせる方式のスニーカーだったわけなんですが、これってどうしても、ハイテクなデザインのものに限られてしまって。

僕自身ディスク ブレイズは好きだったんですが、もっと普通の靴にダイヤルを付けたいな、と思っていました。たとえば同じプーマでも、「スエード」というベーシックなモデルとか。

で、ほかにもドメスティックブランドのシューズなどでもダイヤル式を見かけることはあったんですが、どれも個性的なデザインばかり。そこで、やっぱり自分で試してみたい、と思って始めた感じです。

──それらのパーツをどのように取り付けるのでしょうか。

草賀さん:これもまた2パターンあり、お客さんが持ち込んだスニーカーをカスタムするか、こっちでリユースの中から選んで、カスタムを施した状態で販売するか。どちらかです。

──持ち込みの場合、どういった流れでカスタムが進むのでしょうか。

草賀さん:予算や取り付けたいパーツなどを教えてもらい、相談ですね。オーダーメイドで、要望するカスタムが可能かどうかを話し合います。

──持ち込みではない場合、どんな靴をカスタムすることが多いですか?

松本さん:既製品で、ホールド感が弱いスニーカーがあるんですね。それだったらフィドロックやフリーロックを付けたほうがいいよね、というモデルを選びます。

草賀さん:あとはカスタムさえしてあげれば、お客さんが「また履きたい」となるかどうか。そのあたりが、分かれ目な気もしますねえ。

単純に、スニーカーとパーツとのマッチングで「これをつけたら、めっちゃかっこよくなる!」みたい場合もありますよ。

実験中のカスタムも

──今後は、カスタムの種類も増えていくのでしょうか?

ヴィンテージ加工を施した「エア ジョーダン 1  ロー」

草賀さん:考えているものはあります。たとえばこれは、この間発売されたナイキの「エア ジョーダン 1  ロー」。新品だと真っ白な状態なんですが、手を加えて、ヴィンテージ風に仕上げてあります。

草賀さん:うちのお客さんには、「中古っぽく履きたい」という人が多いんですね。なので、そのニーズに合わせ、加工を施してみました。

まるで長年履き込んだかのような味わい

松本さん:リユースのスニーカー市場が活性化しにくい理由として、「靴は消耗品」というのがあるんですね。服は古くなっても着られるけど、靴はソールが加水分解したりして、履けなくなってしまう。

なので、だったら自分たちでカスタムするのもいいかな、と。靴の状態としては新品だけど、見た目はリユースっぽく。我々としては楽しいし、ニーズがあるならやる価値はあると思いますね。

3.オリジナルライン

ピージーの「ニュードーン」

──オリジナルブランド「pg(ピージー)」も展開されています。こちらはどんなコンセプトなのでしょうか?

松本さん:まず、リユースでいろんなスニーカーを見ますよね。その作業をしながら、「あれがよかった/よくなかった」と情報を集めるんです。

で、それをもとにカスタムを行います。リユースで集めたスニーカーの中で、「こんな風になるといよね」と手を加えるような感じで。

松本さん:そして最後、リユースとカスタムを取り扱う中で得た知見を使って、オリジナルのスニーカーを開発しています。リユース集めからカスタム、そしてオリジナルに至るまで、全部がつながるように考えていまして。

だからオリジナルのスニーカーは、参考にしたモデルを公表したりもするんです。そういう意味で、店内のこの棚は「リスペクト棚」ですよね。これらのかっこいいスニーカーが、もう世の中にはある。で、「じゃあそれ以外に、こんなのもあったら面白んじゃないですか?」という考えを、オリジナルのスニーカーで提案しています。

ピージーの「ガーデンスライド」

草賀さん:あとはリユースをいろいろと見ていくと、「これはいい靴だけど、あまり数がない」となることもありまして。だったら自分たちで作っちゃおう、というパターンもありますね。

スニーカーはあくまでファッションの一部

世間が注目するスニーカー市場とはある程度の距離を取りながら、オリジナリティに満ちたセレクトで存在感を放つプレイグランド。

そこには、お客さんに普段からファッションを楽しんでほしいという想いがあるのだそう。

草賀さん:やっぱりスニーカーをたくさん扱っていると、レアものは人気があるんですね。そっちはそれでいいと思うんですが、スニーカーってどんどん新しいモデルが出てくるじゃないですか。

発売当時は名作と呼ばれたものが、ちょっと経つと忘れられてしまったり。僕らとしては、そういったスニーカーを集めて、「このへんもいいよね」という感じで現代のスタイリングの一部として提案したいんです。だから、「何年代のアメリカ製で…」みたいな方向ではないというか。

松本さん:そうなんですよ。草賀さんともよく話すんですが、我々は「ファッションとしてのスニーカーショップ」を目指しているんです。

なので、スニーカーに詳しくないお客さんが来ても、「そんなの関係なく、見た目で選んじゃいましょう。そっちのほうが楽しいですよ!」という提案がしたいですね。

そういう意味では、実はリユースかどうかもそこまで重要ではなくて。新品だけだと、扱える範囲が狭くなるじゃないですか。だからリユースまで入れたら、「夢のスニーカーショップ」ができるんじゃないかなあ、と思っています。

PLAYGROUND(プレイグラウンド)
【住所】東京都渋谷区富ヶ谷1-8-7司ビル1F
【営業時間】12:00〜20:00
【定休日】不定休
【TEL】03-5738-1872
【SNS】instagram

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